遠山啓は超過激?
「私が自由の森学園に入学する前の中3の時、父親が『自森に入る前に遠山啓という人物を知っておきなさい』と私に言ってボロボロの新聞の切抜きを読まされたのが、初めての出会いでした。」
社会科研究室の昼、レポートをもとにした発表の準備のため、高校3年生がひっきりなしにやってきます。後期の授業は全て生徒のレポート発表で、毎日その打ち合わせが行われています。
見学者を連れて自由の森学園を案内する機会が多いので、何度か教室で発表を聞くこともありました。
冒頭に引用したのは「遠山啓」をテーマにレポートを作成して昨年発表したS君のレポートの冒頭部分です。彼はこう続けます。
「みんなは遠山さんの存在すら知らないのが多いと思う。そう、この自由の森という環境の中にいても、影すら感じなくなっている。下手すりゃ一生出会
えないかもだ。それはマズい!!
せっかく素晴らしい考えをもっているんだから、大学受験だの就職だの卒業できるかなぁ?とか、自森を変えたいとか頑張っ
ているみんなの助けや力に役立てるんじゃないかと思ったからです。ということで、今回は遠山啓という一見静かそうだけど、言ってることは超過激な人物の紹
介と、遠山さんの点数序列観と競争原理について調べました。」
お父さんから手渡された資料は1979年1月17日から朝日新聞で連載された遠山啓と灘高の勝山校長との16回に渡る往復書簡でした。20数年経ったのに論点は今もって新鮮です。
79年と言えば、共通一次試験が始まった年です。彼は書簡の中でこれに対して「一元的で縦隊的思考法をたたきこまれた子どもたちがやがて日本の担い手に なる」と危惧しています。何を隠そう、僕はこの数日後に初めての共通一次を受験しています。競争の教育に漠然とした違和感を感じつつ、しかし、それに変わ る教育の考え方が新聞紙上で語られていることなど知らずに。
遠山さんはこの年、亡くなります。確か9月11日だったか。
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